JinTachibana@usa

アメリカの理学療法士 Doctor of Physical Therapist になるための道のりを中心に、海外留学、アメリカでの生活や、大学・英語の勉強について、全て僕の実体験をもとに紹介していきます。少しでも誰かの助けになれればと思ってますので、何か質問などございましたら、是非コメント欄にてお願いします!

日本のPT? アメリカのPT?

こんにちは、橘ジンです。

 

今日は、僕の目指しているアメリカの理学療法士について、友達からも、そして受験での面接でも、なんで日本ではなくアメリカなのかってことをよく聞かれるので、

日本のPTとアメリカのPTの違いについて説明したいと思います。

簡単に大きな違いを箇条書きにしてまとめました。

 

<日本の理学療法士>

  • 学校:専門学校 (4年制大学もあり)
  • 受験資格:高校卒業しているもの
  • プログラム期間:3〜4年

<アメリカの理学療法士>

  • 学校:大学院
  • 受験資格:学士取得、必要科目、アシスタントとしての経験、推薦状...
  • プログラム:3年

 

どちらも国家試験を受からなければならない国家資格なのですが、大きな違いはなんといっても、その資格取得までの道のり、仕事内容と、その社会的地位です。

 

日本のPTは高校を卒業した後、そのプログラムを有する専門学校に行き、卒業し国家試験を受かれば理学療法士になれます。

一方、アメリカのPTになるのは色々な条件があり、資格取得までに長い道のりを経る必要があります。わかりやすいように段階で説明します。

 

STEP 1 : 必要科目をクリアして、学士の取得

アメリカのPTプログラムは全て大学院レベルであるため、4年制大学を卒業してなければ受験ができません。また、学部の指定はなく、全く医療やリハビリなどに関係のない学部を卒業していてもいいのですが、行きたい大学院の指定する授業をクリアしていなければなりません。僕は今までに(お恥ずかしい話)20校近く受けたのですが、どのプログラムも基本的には同じような必要科目でした。それらがこちらです。

- Chemistry I & II     化学 I & II

- Biology I & II     生物 I & II

- Physics I & II     物理 I & II

- Psychology     心理学

- Calculus      数学

- Statistics     統計学

- Anatomy     解剖学

- Physiology     生理学

これらの他にも、学校によってはもっと上のレベルのクラスや、英語や社会学を取っていなくてはならないということもあります。

 

STEP 2 : 指定時間以上の Observation hours

多くのプログラムは、Shadowingといって、実際の理学療法士さんの仕事の観察、補佐をある程度経験していることが受験条件となっています。多いと合計200時間以上が条件というところや、理学療法と一言で言っても、整形外科、小児科、救急外来、学校など、いろいろなSettingがあり、3つ以上経験してなくてはならないという学校もあります。基本的には見学や清掃ですが、テーピングや超音波マッサージをやらしてくれるところもあります。しっかり面接して雇われて、アシスタントのアルバイトとしてお金をもらいながらやってる人もいます。

 

STEP 3 : TOEFLとGRE

日本人である僕たちは、大学院に入るにの基本TOEFL を受けなければなりません。一般的に大学レベルでは80以上、大学院レベルでは100以上と言われていますが、経験上90以上でほぼ大丈夫です。

そして、僕の中で最も難関だったものが、GREテストです。こちらもTOEFL同様の形式で、基本的に何回も受けられ、ベストスコアを資格のように持つタイプの試験で、Writing, Math, Englishの3 sectionがあり、これは留学生用ではなく、アメリカ人の大学院受験のために受けるものなので、特に英語はTOEFLとは比べ物にならないほど難しいです。ただ、ある大学院に問い合わせたところ、留学生である僕たちは最低条件の点数をクリアしていれば、それ以上は求めないそうです。また、GREを必要としないPTプログラムも存在するので、そちらを目指すのもひとつの選択肢かもしれません。

 

STEP 4 : 推薦状の取得

これも全てのPTプログラムに共通しているわけではないですが、大半が必要としています。主に、大学の教授、Shadowingを行った理学療法士さん、またはバイトや仕事のオーナーなど、条件は学校によって色々ですが、これらの人からの推薦状を必要とする場合が多いです。

 

STEP 5 : 出願とエッセイ

これら全ての条件をクリアして、初めて出願できます。出願は基本的にはPTCASという機構が全てを管理していて、そこで出願したい学校を選び、自分の出願データを打ち込むことによって選択した全学校に同時に出願できます。その後、学校によってはPTCAS以外に個別に出願手続きをしないといけない場合もありますが、その時には指示があります。そして、出願の際に各学校別のお題でのエッセイが1つから、多いと5つほどあります。これらが意外に重要らしく、自分の人間性を伝え、面接をもらえるかどうかが決まるそうです。しかしこれも他の要素と同様、必要ない学校もあります。

 

STEP 6 : 面接

こちらも全ての大学に当てはまるわけではありませんが、大抵書類審査が通った場合、現地にて、もしくはSkypeにて面接があります。その意図も大学それぞれで、きちんとしたコミュニケーション能力の有無を確認するためだけの学校や、多少意地悪な質問で能力を試そうとするところもあります。事前にコミュニティー掲示板などで口コミの確認をおすすめします。

 

これらがPT大学院の受験の過程です。ひとつひとつのもっと詳しい僕の個人的な体験は、今後少しづつ伝えられればと思っております。

 

 

 

最後に、日本のPTとアメリカのPTの最大の違いである仕事内容、社会的地位について話したいと思います。

 

日本の理学療法士は、簡単にいうとリハビリ科学に特化した医者の助手。医者の診断や指示のもと、患者さんの回復や目標実現の手助けをするのが仕事です。

一方、アメリカの理学療法士は、上で述べたような教養の差もあり、独立権をもっているので理学療法士本人で患者の診断ができます。多くの理学療法士さんはキャリアを積むと独立し、自身のクリニックを立ててやっていっているケースが多いです。また、役職もDoctor of Physical Therapyということで、患者さんからは医者として扱われます。その下にPhysical Therapy assistantやPhysical Therapy aideさん達がいて、仕事の補佐やサポートをしています。

 

個人的な意見としては、この形態はお医者さん達の負担を軽減できるだけでなく、患者さんの医療やリハビリテーションへのアクセスをより身近にしてくれる、最高の制度だと思います。医療制度や保険制度など、日本とアメリカでは色々異なるので、日本では実現が難しいかもしれませんが、いずれは日本でも理学療法士さんが独立できる環境ができるといいなと思います。